行政書士の「年収」と「業務分野」の関係

行政書士の業務範囲は多岐にわたります。少し専門的な言い方をしますと、行政書士は、権利義務または事実証明に関する書類のすべてを取り扱うことができ、作成できる許認可・届出書類の数は1万種類を超えます。われわれにとって身近なところでは、アパートを借りるときの賃貸契約書や、就職するときに交わす雇用契約書、あるいは離婚協議書などもすべて、行政書士の守備範囲です。

もちろん、広大な領域のすべてに精通しているに越したことはありません。しかし実際には、そんな“スーパー行政書士”は存在しません。また、アピールの仕方を間違えると、「何でもできる」ということは、むしろ高年収を目指す上で弊害になる恐れさえあります。

では、高年収を目指す行政書士にとって、業務分野とはどのようにあるべきなのでしょうか?大事なのは、横に広げることではなく、奥に深めること、つまり専門性を持つことです。お客さんの立場になって考えてみてください。たとえば、離婚問題に悩んでいたとして、あなたなら、「何でもできます」という行政書士と、「離婚問題を得意としています」という行政書士の、どちらに相談しますか?答えは明白ですよね。低年収に悩む行政書士の中には、このことを理解していない人も実は少なくありません。

開業して間もない頃は、自分の適性もまだわからず、専門性を持つことは難しいかもしれません。しかし、行政書士としての経験を積み、ノウハウを蓄えていく中で、自分の得意な分野は自ずと見えてくるはずです。

また、自身の業務分野を定める上では、マーケットに対する目配りも忘れてはいけません。たとえば、「外国語が得意なので、国籍・戸籍関連の業務を専門にしよう」。発想自体は間違っていません。しかし、あなたの事務所の所在地が典型的な地方都市であった場合、お客さんとして見込める外国籍の方があまりいない、ということだって考えられます。同じような理由で、農村部で、法人設立業務を専門にするというのも得策ではないでしょう。

専門性を持つ、と言っても、何でもかんでも深めれば良いわけではありません。自身の得意分野であり、なおかつ、それがマーケットに合致したものであるかどうかを、きちんと見極めることをくれぐれも忘れないようにしてください。



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